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朝がきた。
昨晩からカーテンは閉めっぱなしだったので
正確には今が朝かどうかはわからない。
カーテンを開けたいのはやまやまだが、
私はベッドから降りることは出来なかった。
耳を澄ますと、
彼は誰かと電話しているようだった。
お金の件で何やら揉めているようだ。
急げ! とか
どうなってもいいのか?
等のきつい口調の言葉が続く。
私は不安で涙が出てきた。
すると彼が私に気が付いた。
通話したままでこっちへ来る。
昨夜の事を思い出し、
私の心臓が飛び跳ねる。
ふいに私に電話を押し付け、話せと顎で合図した。
受話器から聞こえる懐かしい声。
昨日話したばかりだというのに。
「…パパ?おねが…たす…け…て」
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