それぞれの想い。

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親友と好きな人が被った。 お互い長い長い片想いだ。 俺の好きな人は俺の幼なじみ。 『好きでごめんね』 眠るアイツに無意識なのかそう呟いた。 『あたし、ね、すきな人がいるんだ……』 ……そんな分かりきったことをわざわざ言葉にするなよ。 たぶん、両想い。 だけど、お互いに苦しそうな顔をする2人。 単純に親友と好きな人が結ばれるのは嬉しい。 だけど、苦しそうにしてる姿を見てほっとけるわけがないだろ……。 それに、“俺の知らない過去”が邪魔をしてくる。 なんでアイツなんだ。 素直に喜べない自分が嫌いだ。 何の取り柄もない俺を好きだといってくれる2人の大事な人。 俺は2人とも傷つけることしかできないのかな。 『れんとくんってやさしいねっ』 この言葉とともに降ってきたアイツの無邪気な笑顔が忘れられない。 ──俺を好きになればいいんだ。
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