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ーーー
…………。
「…瞳を開けるとそこは穏やかな森の中でした。」
とか言ってみた。
ふぅ…生きてる。
……多分。
なんか体中痛いし、腹減ったし死んではいないはずだ。
なんで生きてるのかはわからないけど。
「異世界…に来たんだよな俺。」
上半身を起こし辺りを見回す。
体中が痛むが動かせないほどじゃない。
静かな森だ。小鳥のさえずりと遠くから微かに川のせせらぎが聞こえてくる。
「おはようございますペイン様。お体の具合はいかがでしょうか。」
「っ!?」
反射的に振り返りながら立ち上がって飛び退き声の主を探す。
…いない…?わけがなかった、目の前にいた。
「メイド…だと!?」
飛び退いた俺の目の前には、遠足なんかで見るレジャーシートの上に正座をしてお茶をすすりながら微笑むメイドさんの姿があった。
いやメイドと言っていいのだろうか。
そもそもなぜこんな森の中にメイドが?
レジャーシートって異世界でも同じデザインなのか?
お茶?湯のみに『黒沢』と書いてある…。え?黒沢って誰…怖。
いやそれ以前に…。
幼女だ。
そして髪が青い。
なんていうか幼女。青幼女。
アキバとかにいそうなゴスロリメイド服着て、頭になんか…なんていうんだっけあれあれあれえーと…
「ブリムというカチューシャの仲間ですね、ペイン様。」
心を読まれたっ?!
えーとなんだ…。つまり今俺の前にはゴスロリメイドで青髪で三つ編みで正座してお茶飲んでほっこりしてレジャーシートで心を読む幼女が微笑んでる。
異世界怖っ!!
ていうか、レジャーシートでってなんだよ幼女がレジャーシートのわけないだろうがバカめ俺。
「…ふぅ。」
なんでこうなった!
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