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「……その顔は反則」
頭の中で何かが熱くなっていくのが、自分でもわかる。
「琉奈っ」
「んむぅ……っ!」
陽子は初めて、自ら接吻を求めた。感情を自覚してから事を為すと、もう気持ちが抑えられない。
「ちょ、ちょっと、陽子……。さっき散々……んむっ」
「んっ……ちゅっ……はふ」
理性なんか吹き飛んだ。ただ突発的に、琉奈と口づけをしたくなった。それだけだ。
「ふっ……はっ……」
「ん……んむっ」
気が済んだのか、陽子はゆっくりと琉奈の顔から離れた。琉奈は頬を真っ赤に上昇させ、荒い息を繰り返していた。
「はぁ……はぁ……。もう、陽子ったら。発情しすぎ」
「……仕方ないでしょ。琉奈が悪いんだから」
「キスしたいんなら、これからいつでもできるでしょ……」
「だからしたくなったのっ」
「スケベ……」
琉奈は、惚けた目つきで陽子の頭を撫でた。
「い、今さらだけど……この体勢、恥ずかしいわ」
「ホント、いまさらだね。この体勢であんな情熱的なキスをしてきたのは、どこの誰なんだか」
「い、言わないで」
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