振り向いて!

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  「だいたいさぁ」  スマホを没収され、否応なしに彼女の相談に乗るかたちになる。節介を焼いてしまう自分のこういう甘さが、琉奈をこんな我が儘な性格にしてしまったのかもしれない。  しかし言い訳をするつもりはないが、しおらしくしている琉奈を見ると、どうしてもほうっておけなくなる。それが陽子という人間性なのだ。 「どうしてそこまで、好きなの? あの人……実梨センパイだっけ? 別にスポーツがすごいとか勉強ができるとか、そういった噂は聞かないわよ?」 「いや、あのね? ここだけの話ね……」 「うん」  声量を下げ、神妙なおもむきでゆっくりと顔を近付けてくる琉奈に、陽子は少しどぎまぎした。 「ちょ、ちょっと……顔近」 「従姉なの」 「へ?」 「そう。先パイは、私の従姉なの」 「へー、イトコ? ……へぇ、あらそう」 「ちっちゃい頃から面倒を見てくれて、慕ってたの。先パイのことは誰よりもよく知ってるのよ」 「……ならさっさと告ればいいのに」 「それができたら苦労しない!」 「そりゃごもっとも」  
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