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頭は痛くなる前に考えるのを放棄した。 ぼんやり窓の外に頭を向けてうとうとし始めた頃。 ガタッと静かな空間にやけに響く音が私の頭上から聞こえて、夢の世界に入りかけた私を引き留める。 気になって少し頭を上げれば目に入った柔らかそうな栗色の猫ッ毛が視界に入った。 私の前の席……。 こないだの授業で欠席だったのはこの男子か、と上げた頭を再び机につけて栗色の頭を見上げる。 彼もまた他の生徒同様に席に着くなり背を丸めた。 後ろ姿からじゃなんとも言えないけど、授業中煩く騒ぐようなタイプではなさそうだな、と密かに安堵してまた頭を窓側に向けた。 頬に当たる机の冷たさが心地好かった。 瞼をまた閉じてしばし微睡んでいると、それから間もなくしてチャイムが鳴った。
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