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「私はかつて、神に捧げられる生贄でした。
神しか愛さないよう、呪いをかけられ、子供の頃から。
そんな私を哀れに思った私の祖母が私に願をかけてくれました。
決して……
二度と神を愛さない人生を送れるように」
神は黙って、成子を見ている。
「貴方が私の神だったのなら、私は貴方を愛しません」
呪いのない人生を――。
そう婆は言っていた。
目を伏せた神は言う。
「私を愛さないようにか。
それもまた呪いだとは思わぬか、成子」
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