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結局、命婦のお道具を使うのも勿体無いということで。
女官たちが貸してくれた古いお道具や、欠けたお道具を使うことになった。
道雅が見つけたり、見つけた人を見つけたりすると、歌を詠んだり詠ませたりしようとするので、そのときばかりは手間取ったが、比較的、順調に遊戯は進んでいた。
意外と見つけられない。
言い出したのは、私なのに、と成子がウロウロしていると、声が聞こえた。
「此処だ、此処だ」
ん?
「此処だ、此処だ」
床下から声がする。
いつもとは違う位置だ。
床に耳を押し当てると、近くに居た命婦が、
「またなにをしてらっしゃるんです」
と見咎める。
しっ、と口許に指先を当てた。
「此処だ、成子。
此処にある」
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