見てる……

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   やれやれ。  最初に斎王様が言い出したときは、どうなることかと思ったけれど。  みなが楽しんでくれたようで、よかったわ。  協力してくれた女官たちに自らお道具を返しに、命婦が向かっていると、いきなり、誰かが、さわりと頭を撫でたような気配がした。  おや? と上を見る。  蜘蛛の巣でも垂れ下がっていたのかと思ったのだ。  だが、そこにはなにも居ない。  おかしいわね、と思いながら、命婦はその場を通り過ぎた。
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