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あれだけ悪霊退治をやらかして、まだ暇なのか。
「そうですね。
貝合わせなどされますか」
ええーっ、と不満げだ。
まあ、いささか刺激には欠けるかもしれないが、と思ったとき、成子は言った。
「わかったわ。
貝を屋敷中に撒きましょう。
それをみんなで探すの」
はあ~?
と思わず、責めるような声を上げてしまう。
それ、撒くのも大変だし、見つけられなかったとき、探して歩くのも大変ではないですか、と思ったのだ。
なにせ、斎王の所有物である貝合わせの道具は、嫁入り道具にも匹敵する高価なものだ。
此処、斎宮に来ること自体が、神に嫁入りするようなものだから、当たり前だが。
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