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道雅がこちらに向き直る。
「斎王様」
「はい」
「もうあのお方は、貴女の従兄でも、幼馴染でもなく、帝なのですよ。
いただいたものはそれなりの扱いをしていただかないと困ります」
ああ、うるさい。
命婦が二人居るようだ、と思った。
そのとき、床下から声が聞こえてきた。
「成子、此処にも撒け。
そして、誰か、見目麗しい若者に取りに来させろ。
私が乗っ取るから」
面倒臭い奴まで、口を出してきた。
成子は、はいはい、と床下の悪霊に適当に答える。
あんた、いつになったら、成仏する気だ、と思いながら。
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