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「ちょっと弘、恵に近すぎ。」
「普通だろ?」
「近い、離れて。」
放課後、恵に勉強を教えて貰っていると、ぐいっと肩を掴まれ後ろにひかれてしまった。
いざ2人の交際が始まると、今まで抑えていたものが解放されたのかやたら恵に対しての取締が厳しい。
「葉月、最後一問で終わるからもうちょっと待って。」
そしてそれに慣れてしまったのか、恵も普通にしてるのが怖い。
机に置いていたバナナミルクを飲みながら、恵の隣をキープする葉月をみた。
「あ、弘、それ一人で全部飲まないでよ?まだ少ししか私飲んでない。」
「あぁ悪い、まだあるよ。」
「んもう。ん??」
ぱしっとバナナミルク受け止めたのは、葉月だった。
目が笑ってない。
「恵、後で私が買ってあげるから。」
「え、いいよ。ちょっとでいいし。」
「・・・そう?弘、もういらないわよね?」
「お、おう。」
葉月はきゅきゅっとストローを拭き上げ、恵に渡した。
間接キスも許さないってわけか。
そりゃ俺も最初戸惑ったけど、弟がいるからかこいつ普通なんだよ、そういうの。
「葉月も飲む?」
「ありがとう。」
ニコッと極上スマイルを浮かべる葉月。
気付け、恵。
そいつは下心のある笑みだ。
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