聖夜の過ごし方

2/5
前へ
/110ページ
次へ
クリスマスイブ 毎年家族でケーキを食べて、プレゼントを交換して過ごしてきた日。 でも恋人のいる人にとっては、家族よりも恋人を優先する日でもある。 恵は、家族用のプレゼントをなににしようか居間のソファーで考えつつ、葉月の事を思った。 「え?もちろん葉月先輩と過ごすよね?」 弟の成宮は突然のごとく言い放つ。 「成宮は?」 「俺は友達とカラオケ。」 「じゃ、2人とも家にいないのか・・。」 「姉貴、母さん達もたまには2人きりのクリスマス過ごさせてあげてもいいんじゃない?夫婦水入らずさ。」 なるほど。 確かに夫婦2人きりっと言うシチュエーションはあまりない。 都合のいい言い訳かもしれないが、それならモヤモヤも少なくてすむ。 「じゃ、イブはそれで。でも25日はいつも通りしよう。」 「はいはい。あー、プレゼントまた悩むなぁ。」 「うまい棒はやめてよ?あれ食べ尽くすのに半年はかかる。」 去年のクリスマスプレゼント、成宮はうまい棒100本だった。運悪くあたってしまった私は友達に配りながら食べ、だいぶ苦しい想いをしたのだ。 「うまいのに。あ、先輩へのプレゼントは決めたの?」 「全然。何がいいかなぁ。」 「やっぱり指輪なんじゃね?」 「指輪・・・ねぇ。」 恋人(女性)への贈り物、ベスト3をあげれば、指輪、ネックレス、バッグなど。 色々調べたものの、どれもしっくりこず、頭を悩ましていた。 「まぁ恋人のいない俺にしたら、羨ましい悩みだけどねー。」 成宮の言葉が耳を右から左へ流れた。
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!

83人が本棚に入れています
本棚に追加