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クリスマスイブ
毎年家族でケーキを食べて、プレゼントを交換して過ごしてきた日。
でも恋人のいる人にとっては、家族よりも恋人を優先する日でもある。
恵は、家族用のプレゼントをなににしようか居間のソファーで考えつつ、葉月の事を思った。
「え?もちろん葉月先輩と過ごすよね?」
弟の成宮は突然のごとく言い放つ。
「成宮は?」
「俺は友達とカラオケ。」
「じゃ、2人とも家にいないのか・・。」
「姉貴、母さん達もたまには2人きりのクリスマス過ごさせてあげてもいいんじゃない?夫婦水入らずさ。」
なるほど。
確かに夫婦2人きりっと言うシチュエーションはあまりない。
都合のいい言い訳かもしれないが、それならモヤモヤも少なくてすむ。
「じゃ、イブはそれで。でも25日はいつも通りしよう。」
「はいはい。あー、プレゼントまた悩むなぁ。」
「うまい棒はやめてよ?あれ食べ尽くすのに半年はかかる。」
去年のクリスマスプレゼント、成宮はうまい棒100本だった。運悪くあたってしまった私は友達に配りながら食べ、だいぶ苦しい想いをしたのだ。
「うまいのに。あ、先輩へのプレゼントは決めたの?」
「全然。何がいいかなぁ。」
「やっぱり指輪なんじゃね?」
「指輪・・・ねぇ。」
恋人(女性)への贈り物、ベスト3をあげれば、指輪、ネックレス、バッグなど。
色々調べたものの、どれもしっくりこず、頭を悩ましていた。
「まぁ恋人のいない俺にしたら、羨ましい悩みだけどねー。」
成宮の言葉が耳を右から左へ流れた。
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