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「ねぇ弘、プレゼントを選ぶポイントって何?」
あえて葉月がいない所で相談してみたが、弘もまた弟と同じ意見だった。
「誕生日とクリスマスのプレゼントの違いってなんだ。」
「また難しく考えてるな。」
やれやれと机に肩肘をつき、外を見つめる弘。
「弘はクリスマスどうするの?」
「俺は家でDVDでもみて過ごす予定。」
「それって新作の姉妹2?」
「それ。」
「弘の家いこうこな。」
「やめろ。俺が葉月に殺される。」
そんな怖い顔しなくてもいいのに。
「見終わったら次かして。」
「クリスマス以降な。」
それは楽しみだ。
わくわくと新作DVDについて話してる間、プレゼントの悩みを忘れている事に気付いた。
現実逃避なのは分かる。
本当は葉月が何を1番欲しがっているのかも。
ただ、それを相談するのはさすがに弘には酷だと言うことも。
ましてや、葉月に相談する事もためらう。
誰にも言えない、上手な彼女の抱き方など。
(AVは気が引けるし、漫画じゃ所詮絵空事だし。葉月、期待してるっぽいから、がっかりさせたくないんだけどな)
ふぅ、と溜息をつくと、葉月から生徒会の用事が終わったと連絡が入った。
「葉月が喜ぶもの、私以外で何があると思う?」
「・・・ないんじゃないか?」
「やっぱり?」
弘までそう思うんだね。
葉月のすきすきオーラは弘の前では特に発揮されてるからなぁ。
「てか、恵からのなら、何でも喜ぶよきっと。相手が喜びそうなの選ぶ事が、あげる方にも、もらうな方にも1番だし、楽しみ方だと思うぞ?」
「・・・うん。ありがとう。」
相手が喜ぶもの。
葉月の嬉しそうな顔を思い出すと、嘘のように曇っていた心が晴れていった。
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