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冬なのにお互い汗だくで、口から出る息は酷く白く感じた。
「葉月、顔見せて。」
手で顔を隠す葉月の手をどかせれば、月の明かりでさらに色が白く見える。
綺麗だねと呟けば、恥ずかしがる葉月は毛布で顔をまた隠した。
雪が降りそうな夜、裸で汗をかいた状態でいればすぐに外気温で身体が冷える。
たまたま髪を拭くように持ってきていたフェイスタオルで汗を拭き、葉月とピタッと肌を密着させて抱き合えば至極の柔らかさと人肌に酔いしれた。
「はぁ・・葉月、今すっごい幸せ。」
「・・・・私も。」
この体温で溶けて1つになってしまえばいいのに。
そう思ったのはきっと1人だけじゃなくて。
「愛してる。」
絡む視線はとても熱く、合図もなく唇が重なりさらに1つになった。
「あ、そうだそうだ。」
すぐベットインしてしまったから出番がなかったプレゼントを、ベッド下のカバンから手をまさぐって取り出し、葉月の薬指に指輪をはめた。
「メリークリスマス、葉月。お揃いだよ。」
濃い海のような色の指輪は、いつも穏やかで深く繋がっていられますようにと願いを込めた。
「ほんと、もう!嬉しすぎて死んじゃう!ありがとう、恵!!」
「死なないで。ずっと、一緒だよ。」
「うん!うん!」
グスグス泣く葉月にもう1つの指輪をはめてもらい、ぎゅっと手を繋いだ。
この日を忘れませんように。
ずっとずっと、覚えていますように。
そう願いながら、繋いだ手が離れないようにしっかりと握り、眠りについた。
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