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「終わったー。トイレ行ってくるー。」
恵!コイツを置いていくな!!
終始空気を読めない恵がトイレに立ち上がり、駆け足で教室を出て行けば、冷たい空気がヒヤリと前から漂った。
「ジュースを2人で飲むなんて、仲いいのね。」
「いっとくが、恵からの提案だからな。」
「ふぅん。」
じわりじわり追い詰められる感覚。
「俺は心配いらないって。」
「知ってるけど、私が嫌なの。」
んなこと言われても。
やれやれと恵の戻りを待てば、とうの本人はこちらの気も知らず、知らない女子生徒と教室へ戻ってきた。
和気あいあいと、楽しげに話しながら。
すると、すぅと葉月は椅子から立ち上がり、恵の腕に絡み付いた。
「なんの話?」
すんなり会話に入った雰囲気だけど、牽制してるの物わかりだからねー、会長さぁん。
あーあ、しっかり恵との距離も開けちゃってるし。
恵は相変わらず特に気にしてないし。
ある意味良いコンビなのかもなぁ。
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