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それはいつもの恵と弘との昼食時
「ねぇ葉月・・・。」
じっと手にパンを持ったまま恵が呟くように名前を呼んだ。
「なに?」
「コスプレしてくれない?」
「ぶっ!!!!」
「弘、汚い。」
「お前!いつもだけど、俺がいる事忘れてないか?!」
「私は葉月に言ってるんだよ?」
「しっとるわい!」
この流れはいつもの事として。
兄弟のように騒ぐ弘を制止し、恵をみた。
「いいけど、どんな?」
「それ。今日買いにいこう。」
キラキラと期待に満ちた目でこちらを見る恵に、今夜は両親と外出の予定と断る事は出来なかった。
「弘もいく?」
「・・・・いや、やめとく。」
今、絶対迷ったわよね?
睨んで正解だったわ。
「ところで、何で突然コスプレ?」
「漫画でそういうの見てさ。葉月なら絶対似合うと思って。」
「どんな?」
「それはバニーとか猫とかだったけど。」
ひくっと頬がひくつく弘。
想像しないようもうひと睨みすれば、ずずっと手持ちのジュースを口にした。
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