第1章

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ちなみに会話は一切ない。 一度、何かに夢中になっている、具体的にはスマホをいじっていたのだけれど、彼女に話しかけたところ凄く嫌な顔をされた。 満員電車が嫌いなのか、朝の彼女はいつも無口だ。 彼女は僕より前に電車を降りる。 僕の楽しい朝の一時は、その瞬間に終わりを告げる。 それからはただの繰り返しの一日がはじまる。 つまらない仕事を、つまらない仲間とする。 そんなつまらない日常でも、彼女の写真を見るだけで僕の心は癒やされる。 スマホに入っている彼女の写真。 カメラ目線ではないが、何か物憂げな彼女の表情はとても美しい。
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