第1章

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彼女はとても気まぐれで、急に出かけたりする。 僕はそんな彼女のために、いつも予定を入れていない。 すべて彼女優先の毎日だ。 それでも僕は幸せだった。 彼女をとても愛していたから。 しかしそんな幸せな日々は長くは続かなかった。 彼女が他の男と一緒にいるのを、偶然見かけてしまったのだ。 僕の前では無口な彼女が楽しそうに笑って話しているのを見た時は悲しかった。 しかし、その次の朝、彼女はいつも通り駅に現れた。 彼女は全くいつも通りの態度だった。 人間、誰しも過ちはあるものだ。 僕はそのことについて何も言わないことにした。 本当は声を大にして問い詰めたかった。 それができないほど、僕は彼女に心を奪われていたんだ。
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