39人が本棚に入れています
本棚に追加
高校受験の日、同じとこを受けるんだって初めて知った。
一緒のバスに乗って、同じ目的地に向かう。
私は一番前の席。
「ヒロ」は一番後ろの席。
私の隣には私の友達。
「ヒロ」の周りにも彼の友達。
大事な日なのに、後ろの方ですごく騒いでる。
私と「ヒロ」の間には、たくさんの人とたくさんの席。
頭の後ろから出た一本の線が、そのたくさんの人たちを突き抜けて、糸電話のように「ヒロ」の声を拾う。
それどころじゃないのに、
今日は大事な日なのに、
なぜか、後ろが気になって仕方がない。
.
最初のコメントを投稿しよう!