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「…一緒に入る?」
割と、真剣な顔で玲也くんが言った。
「へ?」
驚いて、素っ頓狂な声が出る。
い、いいいい一緒にって、どういうこと!?
頭の中が真っ白になった。
玲也くんがクスッと笑った。
「冗談だよ、冗談」
何だ、冗談だったんだ。
真剣な顔をしていたから、本気だと思った。
ホッと胸を撫で下ろす。
「やっぱ、そういうのは順番とか大事だしさ、美玖の家に来たかったのだってそういう目的じゃないから安心してよ」
そういう目的…って、アッチ系?
考えてもいなかった。でも、私たちだって恋人同士だから、タイミングが来ればそういうことだって…するんだよね。
何だか、玲也くんに言われるまで全くそんなことを考えていなかった自分が申し訳なく思えてきた。
「ごめんな、冗談とか言っちゃって。戸惑ったよね」
玲也くんが苦笑する。
私は首を振った。
「私の方も…なんかごめんね」
「美玖、先風呂入りなよ」
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