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「連休前に何かあったのか?喧嘩とか」
翼が奈々ちゃんと私に聞いてくる。
「え?何かあった?ダブルデートの間は、普通だったよ。普通っていうか、ラブラブすぎて、別れる要素なかったと思うんだけど」
何かあったかって聞かれると、デートの後、家に泊まった時に何か原因があったとしか思えなかった。
そういえば、いろいろ悩んでいたような気もする。
舜と自分を比較したりもしていた。
玲也くんからは
“受験勉強で忙しくなると、恋までしている余裕はないんだ。美玖の幸せを心の底から願っているよ。”
とLINEで言われた。
本当に、受験勉強だけなのかな。
連休前の出来事が脳裏をよぎった。
「美玖って、玲也の初恋の相手なんだろ?その初恋が叶ったってのに、受験勉強のために別れなくたっていいのにな」
翼がポツリと言った。
「…まぁ、それだけの理由で別れたなら、そこまでの奴ってことなんだろ、アイツも。もっといい男見つけりゃいいんじゃないの?」
卵焼きを食べながら舜が言う。
私は、舜の方を見た。
「だって、受験勉強があったって、少し距離ができる程度だろ?正直、別れる必要なんてないと思うんだよな」
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