★SIX★

4/17
前へ
/121ページ
次へ
やっぱり、何か別の理由があるのかな。 「…はぁ…」 私は、溜息をついた。 「美玖さぁ、今日予定ある?」 放課後の、と舜が言った。 私は左隣に座る舜を見上げた。 「へ?」 「部活とか、ある?」 「…あるよ」 今日はトレーニングルームを借りて、部員の筋力向上を図る。 マネージャーは、部員につきっきりでトレーニングのサポートにあたることになっていた。 「…そっか」 「どうかしたの?」 「いや。気晴らしに、どこか一緒に出掛けないかなって思ったんだけど、部活があるならしょうがないな」 すると、奈々ちゃんが私の肩に腕を乗せてきた。 私は奈々ちゃんを見た。 「部活は私と後輩でどうにかするからさ、行ってきなよ。舜と出掛けるなんて久々でしょ?」 う。そりゃそうだけど。 玲也くんに別れを告げられてすぐに、舜と出掛けるなんてできないよ。 「これはきっとチャンスなんだから!逃したら後悔するよ?」
/121ページ

最初のコメントを投稿しよう!

58人が本棚に入れています
本棚に追加