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やっぱり、何か別の理由があるのかな。
「…はぁ…」
私は、溜息をついた。
「美玖さぁ、今日予定ある?」
放課後の、と舜が言った。
私は左隣に座る舜を見上げた。
「へ?」
「部活とか、ある?」
「…あるよ」
今日はトレーニングルームを借りて、部員の筋力向上を図る。
マネージャーは、部員につきっきりでトレーニングのサポートにあたることになっていた。
「…そっか」
「どうかしたの?」
「いや。気晴らしに、どこか一緒に出掛けないかなって思ったんだけど、部活があるならしょうがないな」
すると、奈々ちゃんが私の肩に腕を乗せてきた。
私は奈々ちゃんを見た。
「部活は私と後輩でどうにかするからさ、行ってきなよ。舜と出掛けるなんて久々でしょ?」
う。そりゃそうだけど。
玲也くんに別れを告げられてすぐに、舜と出掛けるなんてできないよ。
「これはきっとチャンスなんだから!逃したら後悔するよ?」
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