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赤城くんがあっかんべをした。
残っている6本のピンを倒し、スペアを取り、赤城くんはドヤ顔を浮かべた。
次に投げた浩佳は、ガーターを取る自信があると言いながらストライクを打ち取った。
「…やるじゃん、浩佳」
舜が笑いながら立ち上がる。
そして、一投目のボールを転がす。右に大きく逸れてガーターになった。
「ガーターかよ。だっせぇな」
さっきの仕返しと言わんばかりに、赤城くんが舜を指差して笑った。
「うるせー。猿も木から落ちるんだよ」
「舜って猿だったのか。へぇぇ」
まだからかい続ける赤城くんを睨みながら、舜は二投目のボールを転がす。
真ん中のピンにボールがぶつかり、全てのピンが倒れた。
「どうだ!スペアだ」
「もったいなーい。一投目だったらストライクだったのに!」
浩佳がモニターを見ながら残念そうに言った。
次は私の番だ。
6号のボールを持って、前に出た。
「頑張れよ」
舜が私の肩をポンと叩く。
「うん」
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