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まっすぐ、ボールはレーンを転がった。
そして、真ん中のピンに当たる。
私の声と、ピンが倒れる音が、ボーリング場にこだました。
「スペアだ!」
浩佳が声を上げた。
そして、私に駆け寄って来る。
「やったじゃん!美玖、スペアだよ!」
浩佳が言ったと同時に、赤城くんと舜が戻ってきた。
「ね、二人とも!美玖がスペア取ったよ!」
「やったじゃん!」
「んじゃ、ジュースおごってやるよ」
舜がニヤッと笑い、私の肩を叩く。
「へ?でも、私まだストライクは取ってないよ」
「でも、ガーターからのスペアだろ?ほとんどストライクみたいなもんじゃん」
…でも、スペアだよ。
スコアには、スペアって記録されてるんだから。
「どうせ美玖、このあとストライク取れないだろ?」
ポン、と舜が私の頭を撫でた。
「…!」
「ボーリング、下手なんだから俺におごられとけよ」
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