58人が本棚に入れています
本棚に追加
瑞希くんとも合流し、駅前のエイオンまで歩いた。
「そういえば、皆受験…とかどうするの?」
大通りを歩いている途中、瑞希くんがポツリと言った。
「実はさぁ…全然考えてないんだよね」
奈々ちゃんが頭の後ろで手を組んで、アハハと笑う。
「そんなんで大丈夫?去年とかの進路学習、何してたんだよ」
「睡眠学習!…なんちって」
進路とかよくわかんないんだよねー、と奈々ちゃんが肩をすくめた。
「玲也と美玖は?進路考えてるの?」
「私は、専門学校行くよ」
私が言うと、奈々ちゃんは「え?そうなの?」と驚いたような声を上げた。
「ファッション系統の専門学校!そこで、コーディネートについて学びたいの」
「へぇぇ。カピバラみたいにボーッとしてる癖に、案外ちゃんと考えてるんだ」
カピバラみたいにボーッ…って、失礼な!
「玲也は?」
奈々ちゃんが玲也くんに話を振った。
「俺は、経営学部に行くよ。親の仕事を継いでかなきゃいけないし」
前に進路の話をしていた玲也くんだけど、今日は少し顔が暗い。何かあったのかな。
最初のコメントを投稿しよう!