★FIVE★

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「じゃあ、勉強漬けってことは、部活を引退したらなかなか遊びに行けないってこと?」 「…うん。放課後は、毎日塾を入れられてる」 そっかぁ…。 なかなか遊びに行けないのは、寂しい。でも、そんなことを言ったら、玲也くんを困らせてしまう。 「頑張ってね」 ベッドの上に座って、ぬいぐるみを突いていた玲也くんが、顔を上げた。 「もちろん。美玖と過ごせる大事な時間を、受験勉強に費やすんだから、絶対合格してみせるよ」 「うん!」 それっきり、会話が途切れた。 ベッド脇に置いてある目覚まし時計が時を刻む音だけが、静かな部屋に響く。 舜と付き合っていた時は、会話が途切れるなんて滅多になかった。 舜がちょっかいを出してきたりして、話題を作ってくれたから。 1年前のことを思い出しかけ、私はハッとした。 この前まで、思い出しそうになることなんてなかったのに、どうして今日に限って。 舜とは別れて、友達になったんだから。 付き合ってた時のことは忘れなきゃ。 「あ、そうだ。お風呂入る順番どうする?」
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