初恋の相手はお父さん

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「あ、そうだ。オトメに渡す物があったんだ」 「何?」 そう言いながらお父さんは立ち上がり近くにあった机の引き出しを開けると長細い箱を三つ持ってきた 「ほら、進級祝いだ」 そう言ってお父さんは一つの桜色の箱を私に渡してきた 「ペンダント?」 開けてみると桜色のクリスタルが付いたペンダントだった 「すまないな。俺はどうしてもそう言ったプレゼント選びは得意じゃなくてな」 苦笑いをしながら溜め息を吐くお父さんとは裏腹に私は今すぐにでもお父さんに抱き付き感謝の言葉を言い表したかった お父さんは確かに厳しいけどそれは私の為を思っての事で甘やかすとそれが慢心を呼び死に直結するからだと知っているから だけどそれ以上にお父さんは優しくそして凛々しいと私は思う。誰よりも常に私達家族の事を心配し何かあればすぐに駆け付けてくれる 「リディに頼んで付呪を着けてある」 「え?」 クリスタルを見てみると確かにクリスタルの中に魔方陣が書かれていた 「付呪には半径800メートルまでの範囲で探知をして悪意や殺意に敵意が感知したらクリスタルが少し光る」 「結構便利だね」 「それとこの二つはユメちゃんとアレシアに渡しといてくれるか?」 そう言いお父さんは緑の箱と白の箱を渡してきた 「白の方はユメちゃんで緑のがアレシアだ。頼んだぞ?」 「はーい♪」 「あらあら、お兄様だけ先に渡すのはズルいですよ」 先程まで紅茶を飲んでいた響がクスクス笑いながらお父さんに話し掛けてきた 「ああ、悪いな」 「ふふふ、気にしませんよ。それじゃあ私達からはこれをオトメに」 そう言って今度は少し大きめの箱を渡してきた 箱を開けるとそこには響お母さんがよく鍛練で使っている刀似ていた
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