6.

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俺は目を覚まして驚いた。 もう天窓が薄らと明るくなっている。 昨夜はロフトの下から騒がしい音が聞こえていて、とても眠れる状況ではなかったのに、ジキルがぴったりと寄り添ってくれた途端、熟睡したようだ。 あの温かい塊を求め、布団の中を手で探ってみたが猫は既に姿を消していた。 隣を見ると、荒潟が寝ていた。 一瞬ジェイムじゃないかと疑ったが、間違いなくこの家の主だ。 そっと起きてロフトの下を覗いてみる。 みんな帰ったようで、人の気配は無い。 俺は階段を下りてトイレに行き、洗面台で顔を洗った。 それから、朝食を作ろうとキッチンに立つ。 テーブルも調理台も綺麗に片付けられている。 冷蔵庫を開けると、また食材で埋まっていて唖然とした。 きっとこの冷蔵庫はこれからも空にならないだろう。 家主がどんなに大雑把な性格でも、ゴミ屋敷にならずに食事にも有り付けるのは彼らのお陰だ。 俺は、荒潟の人望の厚さをしみじみと感じた。 場所を提供したからと言って彼が見返りを要求するとは思えないから、きっとみんな感謝の気持ちでやっているのだろう。 ここに集う人間は、荒潟とこの家が好きなのだ。
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