6.

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感慨に耽っていた俺だが、ふと気付く。 俺が寝る前にロフトには山積みの洗濯物があったはずだが、朝起きたら無かった。 放り出していた俺の下着も…! 俺は裏口から外に飛び出す。 途端に、ハイドが飛び付いて来た。 いつからかは分からないが、庭に追い出されていたらしい。 でも今は構ってやれない。 なぜなら。 俺は、風に揺れる洗濯物を呆然と見つめた。 ハルニレの大木の幹から風呂場まで繋がれた洗濯紐に、荒潟と俺の服がぶら下げられている。 小さめのボクサーパンツは俺のだ。 不意に背後から声がした。 「俺が寝ている間に、エレナちゃんとユカが洗濯してくれたみたいだな。」 振り返ると、荒潟が大あくびして立っていた。 俺はハイドにじゃれ付かれ、ふらふらしながら尋ねる。 「い、いつも女の子達に洗わせてるの?」 「あ…、そうかもな。」 荒潟が目を擦りながら答える。 「俺は自分の家の洗濯機を使った事ないからなぁ。」 そして、洗濯物を指差して言った。 「あれ、将平のパンツだろ?」
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