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一方、ジェイムの方は俺達のテーブルに飛んで来て笑顔を見せた。
「ショウヘイ!アラガタさん!
今日も会えて嬉しいデス!」
俺もにこやかに挨拶を返すが、荒潟に笑顔はない。
俺は彼にこそこそ耳打ちする。
「窓拭きの事でも思い出したのか?」
「いや…。」
「でも、いつもの荒潟さんらしくないよ?」
「…。」
すると、ジェイムが話しに割り込んで来た。
「アラガタさんはね、昨日からずっとこうなんデス。
ショウヘイが寝た後も、ぼくに意地悪するんデスよ。」
「意地悪って、おまえは子供か?」
荒潟が憤慨して言い返した。
「俺は、おまえがしつこいから注意しただけだ。」
「ロフトに行こうとしたら、引き摺り下ろしたじゃないデスか!
ぼく、肘をケガしました!」
そう言って、ジェイムは袖を捲り、赤くなった肘を俺に見せる。
本当に子供みたいだな、と思ったが、荒潟のやっている事も遠からず…。
厨房から店員に呼ばれ、ジェイムが慌てて戻って行く。
俺は彼の背中を見送ってから荒潟に言った。
「酔って喧嘩でもしたのか?」
途端に、荒潟が顔を近付けて言う。
「おまえも悪い。」
「ええっ?どうして俺が?」
「俺を煽って楽しんでいるんだろ?」
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