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俺は公道から外れて河川敷へ繋がる坂道を下り、土を均しただけの駐車場に車を停める。
少し離れた場所に1台のワゴン車が停まっていたが、持ち主の姿は見当たらなかった。
車から降りた俺はぶらぶらと川原まで歩き、転がっていた流木の上に座る。
そして、ぼんやり川面を眺める。
今日は快晴で日差しが強いが、水流の涼やかな音と吹き抜ける風が心地良い。
不意に背後に気配を感じ、振り返った途端、でかい犬と目が合った。
「うわっ!」
驚いて立ち上がると、そのでかい犬の周りに大小様々な他の犬がいて、俺は包囲されている事に気付く。
…な、何だ?この犬の集団。
びびる俺に、でかい犬が飛び付いた。
そいつは尻尾を振って俺の顔を舐めようとする。
襲われているのではないと分かって安心したが、とにかく重い。
俺は勢いに負けて引っくり返る。
すると、次々と他の犬達も飛び付いて来て、俺は体中犬塗れになった。
「ギャーっ!
離れろって!」
俺は抵抗するが、犬達は遊んでくれていると勘違いしたのか、俺にじゃれ付いて離れない。
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