2.

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さっきまでその気だったのに、今更嫌だとは言えない。 だが正直、俺はびびっていた。 健志以外の相手とセックスした事がないのに、相手はノンケだ。 ゲイなら手荒な事をしてもいいと思う奴は大勢いるし、乱暴されたら体格差があり過ぎて逃げられない。 俺は急に怖くなった。 突然、荒潟が力を緩めた。 そして、俺の頭をそっと撫でて言った。 「嫌ならしない。」 荒潟は俺の隣に寝転がり、でも腕は絡めたままで、ぴったりとくっ付く。 彼の黒髪から夏の匂いがする。 そして、心臓の鼓動。 力強く波打ち、俺の鼓動と重なる。 俺の緊張は徐々に解れ、彼の腕の中が心地良く感じるまでになった。 「…いいよ。」 俺の口から、自然と言葉が漏れる。 「荒潟さんとなら、セックスしてもいい。」 荒潟がむくりと起き上がり、俺の上に跨った。 そして、着ていたTシャツも脱がす。 上半身裸になってしまった。 彼と比べて、色は白いし貧弱な体。 「細いな。 肋骨も浮いてる。」 荒潟に指摘され、俺は恥ずかしくて顔が赤くなるのを感じた。 すると彼は 「大丈夫、大丈夫。」 と宥めるように言い、俺の首にキスをする。 …ノンケの男に気を遣われている。 この状況ってどうなんだ?
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