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目を覚ますと朝だった。
隣を見たが荒潟はいない。
俺は飛び起き、ロフトの柵に掴まって下を見る。
食欲をそそる良い匂いがしていた。
すると、不意に荒潟が姿を現し、こっちを見上げて言った。
「朝飯作ってる所だから、先にシャワーでも浴びてくれ。」
枕元には俺の為に用意されたと思われるタオルが置いてあった。
下着1枚の格好だった俺はシャツを身に着け、タオルを手に階段を下りる。
そして、はっとした。
裏口のドアの前で全裸になるんだった…。
「将平、心配するな。
ハルニレの木と燻製器が目隠しになって、周りから見えないから。」
フライパン片手に荒潟が言う。
しかし、俺は無言で立ち尽くす。
ここで脱いだら彼に丸見えだ。
荒潟が不思議そうに俺を見て言った。
「男同士なのに照れてんのか?」
ああ、この男は正真正銘のノンケなんだ。
女が胸や尻を出していたら凝視するんだろうが、同性相手に欲情する気持ちなんて湧かないんだろう。
…あれ?
でも昨日、俺とセックスしたよな?
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