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俺は意を決してシャツを脱ぎ、下着も脱いだ。
そして、ちらっとキッチンを見る。
荒潟はスクランブルエッグを皿に盛っていた。
俺の事などまるで眼中にないらしく、せっせと料理の仕上げに掛かっている。
俺は急に気が抜けて、とぼとぼと浴室のある小屋に向かった。
風呂から出て素早くタオルで体を拭い、再び下着とTシャツを身に着ける。
そしてロフトに上がり、残りの服を着た。
途端に、下から声が飛ぶ。
「おーい!将平!
飯だぞ!」
「あ、はい!」
俺は急いで階段を下り、キッチンに行った。
キッチンの隣に長方形のダイニングテーブルがあり、上に美味そうな朝食が並んでいる。
スクランブルエッグに焼いた厚切りベーコンとソーセージ、マッシュポテト、野菜サラダ、ライ麦パンにロールパン、コーンポタージュスープ、オレンジジュース…。
朝から、こんなに?
荒潟は俺の正面に座り、当然のようにガツガツ食っている。
体格差の一因が分かり、俺も頑張って朝食を胃に収めた。
足元にはいつの間にかハイドが来ていて、時々おねだりするように鼻を鳴らす。
こっそりソーセージを分けてやる。
するとハイドは、クチャクチャと大きな音を立てて食い始めた。
ああ、バカ犬…。
荒潟は気付いたはずだ。
しかし彼は何も言わず、スマホをタップしながらジュースを飲んだ。
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