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それを聞いて、俺は顔が火照った。 店頭販売なんてやった事の無い俺に期待する訳ないのだ。 気負ってしまった自分が恥ずかしい…。 「じゃ、そろそろ行くか。」 荒潟は立ち上がり、俺の肩を叩く。 俺も慌てて付いて行くと、彼は外に出て道路を渡った。 向かいには砂利を敷いただけの小さな貸し駐車場があり、数台の車が停まっている。 川原で見た荒潟の黒いワゴン車があった。 その隣に汚れた青色の軽トラック。 彼は軽トラックに突き進み、運転席のドアを開けて言った。 「隣に乗って。」 助手席は地図やゴミ袋、空き缶、軍手やビニール傘などで占領されていた。 俺はそれを足元に押し込み、何とか隙間を作ってシートに座ると、胸の内で呟いた。 …荒潟らしい。 荒潟がエンジンを掛け、ハンドルを切りながら笑って言った。 「汚なくてごめんな。」 屈託の無い笑顔。 心臓がドキッとして、俺は思わず窓の外に目を向ける。 大雑把で強引で、でも優しい奴。 予感がした。 俺は、彼を好きになるかもしれない。
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