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俺が項垂れていると、ゲイ友がお好み焼きをひっくり返しながら言った。
「将平は真面目だから、自分に責任感じちゃうんだろうね。
でも、メグくんの気持ちはどうにも出来ないだろ?
悪い事してるんじゃないんだから、素直に楽しめよ。」
「楽しむ?」
「そうだよ。
俺は告って来た子と楽しむよ。
将平も荒潟兄弟の両方と楽しめばいじゃん。」
ゲイ友の軽薄さに呆れて黙っていると、彼の方も気分を害したようで、顔を顰めて言った。
「将平はいつも苦しそうだな。
そんなに辛いなら恋なんてするなよ。
『相手を傷付けてまで恋愛するなんて。』って言いたそうな顔してるけどさ、恋なんて身勝手に楽しむもんじゃねぇの?
相手はおまえに悩んで欲しいなんて思ってないし、そいつがノンケなら、ゲイにマジになられる方が余程迷惑な話しだってぇの!」
ゲイ友は腹が立つと口が悪くなる。
気に入りの男相手には甘え声まで出すくせに、喧嘩となると手も口も容赦無い。
ただ、酒が入っていない事が幸いし、彼は自分の声の大きさに気付いて直ぐにお喋りをやめた。
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