3.

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俺が目を瞑って仰向けに寝ていると、キッチンの方から走り回る足音が聞こえて来た。 ハイドだ。 どうもジキルに追い駆けられているようで、突然 「キャン!」 と泣き声がした。 引っ掻かれたかな?と思った途端、物凄い勢いで俺の上にハイドが飛び乗って来た。 「重っ!」 俺は苦しくて押し退けるが、ハイドは俺とソファーの隙間に、そのでかい体を潜り込ませようと必死だ。 その時、気配がした。 ハイドも察知して、慌てて応接スペースから逃げ出す。 重石が無くなり、漸くソファーから体を起こした俺の目に、真っ白な猫の姿が映った。 毛は短く、四肢がすらりと長い。 三角の耳をぴんと立て、透き通るような青い眼で俺を見つめている。 猫は背凭れにちょこんと座っていた。 俺の目と鼻の先だ。 「わあっ!」 驚いて引っくり返るのと同時に、猫もひらりと飛び上がってテーブルに着地する。 そして振り返り様、俺をじっと見た。 「な、何だよ、ジキル…。」 すると猫は 「ニャア。」 と鳴き、あっと言う間に2階に駆け上がって行った。
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