4.

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翌朝は6時に起き、荒潟の作ってくれた朝食を食べて、慌ただしく車で現場に向かった。 運転しながら、荒潟が俺に説明する。 「依頼主は貸しコテージのオーナーの三郷(さんごう)さん。 契約している造園業者に欠員が出て、全部回りきれなくなったらしいんだ。 それで1戸分だけ、俺が剪定をする事になった。 ここから1時間以上かかる山間の別荘地だし、正午までに作業を終えなきゃならないしで、ちょっと面倒なんだよなあ。」 「剪定って、数時間で終わるの?」 俺は経験が無いから見当も着かない。 すると、荒潟が横目で見て呟いた。 「将平の働き次第かな?」 サイズの合わないブカブカの作業用繋ぎを着こみ、軍手を握り締めて助手席に座っている俺。 どう見ても、遊び半分で付いて来た親戚の子供のようだ。 この居心地悪さは、自分が何をすればいいのか分からないせいもある。 それなのに荒潟は、肝心な所を話してくれない。 案の定、着いた先では、出迎えてくれた三郷さんから挨拶もそこそこにこう言われた。 「将平くん、学校はもう休みかい?」 俺は社会人だと答えようとしたのに、なぜか荒潟が止めて適当に誤魔化してしまった。
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