4.

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裏庭に向かって歩きながら、俺は荒潟に文句を言った。 「三郷さん、俺のこと学生だと思ってるんだぞ!」 「何か困るか?」 「だって俺、23で会社勤めだし…。」 「今日は俺が頼んだ臨時のバイトだろ? おまえの会社も年齢も関係無いよ。」 「でもあの人、誤解してるから…。」 言いながら、俺の声は自然と小さくなる。 …俺が間違ってるのかな? すると、荒潟が立ち止まって言った。 「俺は正直なおまえが好きだよ。 でも、あのおっさんはおまえの会社の客じゃないんだ。 これが最初で最後の対面かもしれないんだから、個人情報は曖昧にして置けばいいんだよ。」 「そうだよな…。ごめん。」 俺は反省しきりで口籠もる。 「嘘吐いたら、後で荒潟さんにクレームが来るんじゃないかと心配になったんだ。」 荒潟は俺の肩をぽんと叩き、白い歯を見せて言う。 「将平を仕事に付き合わせたのは、楽しく作業出来るって分かってるからだ。 おまえも俺を信じて楽しめ。」 それを聞いて、俺は思った。 ああ、この人はやっぱり変わってる。 仕事=楽しむもの、なんだ…。
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