4.

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「…俺、やっぱ不器用だよな。」 俺が呟くのと同時に信号が赤になり、荒潟がブレーキを踏む。 そして、こっちを見て言った。 「だから一生懸命やるんだろ? 俺はおまえのそう言う所が好きだよ。」 「でも、仕事は器用な人間とやる方が…。」 「俺はそうは思わない。」 荒潟がきっぱり言う。 「信用出来る奴じゃなきゃ、一緒に仕事しないよ。」 俺は驚いて彼を見る。 信号が青になり、荒潟は前を向いて運転を再開した。 俺はこの時、彼が会社勤めをしない理由が少しだけ分かった気がした。 荒潟は、このまま家に帰ると告げた。 本当はスーパー銭湯で汗を流したかったらしいが、俺の怪我を気遣い、家の風呂に入ろうと言ってくれた。 彼に感謝しつつ、俺は図々しいお願いをした。 「面倒じゃなければ、俺のアパートに寄ってくれると有りがたいんだけど…。」 「いいよ。」 荒潟は当然のように返事をし、俺のアパートへ車を走らせた。
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