4.

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俺は荒潟にしがみ付いていた。 そして強引に手から袋を奪い、胸に抱きかかえてしゃがみ込む。 すると、彼がぽつりと言った。 「車の中を整理して来る。 10分で戻るよ。」 荒潟が部屋から出て行った途端、俺は力が抜けて蹲る。 胸が苦しい。 まだ遣り切れない想いが残っていて、今にも溢れ出てしまいそうだ。 服は健志の匂いがして、一緒に買ったアクセサリーやCDには俺達の思い出が詰まっている。 情けなかったが、どんなに頑張っても平気ではいられない。 俺は何度も、拳で涙を拭った。 荒潟が戻って来たのは30分以上経ってからだった。 俺はまだ悲しかったが、涙は止まって気持ちも落ち着きを取り戻していた。 涙と鼻水で汚れたティッシュもゴミ袋に詰め込み、それを荒潟に突き出して言う。 「捨ててくれ。」 「ああ。」 荒潟はにっこり笑い、片手にゴミ袋を持つと、もう片手を俺に差し出す。 俺はその手を掴んで立ち上がり、彼の後に付いて部屋を出た。
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