4.

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「ああ、そうだよな。 じゃ、いつゲイだと気付いたんだ?」 荒潟は無邪気に訊いて来る。 面と向かってこんな質問をされるのは初めてだが、今更驚かなくなっていた。 ただ、体を洗って貰いながらする話しにしては微妙だが…。 「中学に入ったばかりの頃だったかな…。 俺は施設で一緒だった兄ちゃんが大好きで、女の子にはそんな気持ちにならない自分がおかしいと思ってた。 で、その兄ちゃんが独り立ちして施設から出て行く事になった時、悲し過ぎて熱まで出しちゃったんだよ。 あの時、自分がゲイだと気付いたんだ。 周りのみんなは俺の事をガキだと言ってからかい、当の兄ちゃんは、弟分の俺が寂しがってると思って慰めてくれたけど、本当は彼に恋していたんだ。」 いつも質問ばかりする荒潟に、今度は俺が訊いてみた。 「荒潟さんの初恋はいつ?」 「初恋?」 荒潟がシャワーを止め、ぽつりと答えた。 「覚えてないな…。」 唐突に会話が終わり、荒潟が湯船に浸かる。 俺はシャワーを浴びたから、このまま出ようと扉に手を掛けた。 すると、荒潟が大きな声で言った。 「将平!おまえも入れ!」 「え?狭くて無理だよ。」 「大丈夫だって!」 命令口調の荒潟を拒否出来ず、俺は戻って浴槽に片足を入れる。 が、狭い。 だから無理だと言ったのに、と思った瞬間、荒潟が俺の腰を抱いて自分の膝の上に座らせた。
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