4.

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指の感覚が、健志とは全く違った。 節が張って力強い男の指。 中を抉られ、俺の喉から声が漏れてしまう。 荒潟が興醒めするのを恐れていたが、彼の方も興奮してくれているようで、熱い息が首筋に掛かった。 「気持ち良いか?」 彼に耳元で囁かれ、俺は、うん、と頷く。 指が抜かれると、今度は硬くて太い塊が俺の中に入って来て、その後は何を訊かれても喘ぐばかりだった。 目を覚ますと、天窓の向こうは真っ暗で、下からぼんやりと明かりが漏れていた。 俺は重い体を引き摺り、ロフトの柵までやって来て下を覗いた。 荒潟がパソコンに向かって座っている。 小さなライトで手元を照らし、慣れた手付きでキーを打っていた。 足元にはハイドが蹲っているが、やはりジキルの姿はない。 ハイドが俺に気付き、顔を上げて尻尾を振る。 荒潟も振り返り、伸びをして言った。 「腹減ったろ? 何食いたい?」 今から作るつもりなのだろうか? コンビニ弁当でいいと思ったのに、なぜか俺の口から料理の名前が飛び出した。 「グラタン。」 まずい事を言った、と後悔したが、いくら料理上手の荒潟でも、面倒だと断るだろう。 ところが、彼は椅子から立ち上がり、 「エビとチキン、どっちが良い?」 と訊いて来た。
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