4.

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ダイニングテーブルで荒潟が作ってくれたグラタンを食べながら、俺は彼に言った。 「よくロフトで寝れるな。」 「…1人の時はソファーで寝てる。」 「へえ…。」 俺は荒潟の弱点を見つけた気がして、調子に乗って意地悪く言った。 「今日もあんな脚立に乗って仕事してたけど、本当は足ガクガクだったんだろ?」 荒潟は否定せず、フォークでエビを持ち上げながら尋ねる。 「おまえは平気なの?」 俺は自信を持って答えた。 「俺は大得意。」 荒潟が拗ねたようにグラタンを突付く姿は、俺に親近感を与えた。 しかしそれも束の間、彼は直ぐに余裕を取り戻して話題を変えた。 「将平、おまえグラタン好きなの?」 「うん、好きだよ。」 「なんで?」 「初めて食った時、美味いと思ったから。」 「初めて食ったのっていつ? まさか、去年の誕生日、とか言わないよな?」 「違うよ。」 俺はむっとし、勢いでまた過去の出来事を口走ってしまった。 「施設ではグラタンを作ってくれなくて、初めて食べたのが小学校の同級生の家。 泊まり掛けで遊びに行って、夕飯がグラタンだった。 凄く美味くて…。」
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