5.

2/17

1494人が本棚に入れています
本棚に追加
/507ページ
昨日たっぷり睡眠を摂った俺は、荒潟を起こさないようにそっと布団から抜け出し、キッチンへ向かった。 ハイドが目を覚まして纏わり付いて来たが、ドッグフードの保管場所も与える量も分からない。 可哀想だが頭を撫でて宥め、朝食作りに取り掛かる。 俺は荒潟のように料理上手では無いが、自炊しているから朝飯くらいは作れる。 いかにも何でも入っていそうな業務用冷蔵庫を開けると、びっしりと食材で埋まっていた。 新鮮な野菜に果物、玉子、牛乳に調味料。 冷凍庫には肉の塊に魚介、刺身もある。 「凄げぇ…。」 俺は思わず独り言を呟く。 材料が有り過ぎて、何を作って良いか迷ってしまう程だ。 戸棚を開けると米が見付かった。 それで俺は、取り敢えず米を炊く事にした。 1時間が経った頃、荒潟が起きて来た。 彼は、じゃれ付くハイドを撫でてやりながら俺の手元を覗き込む。 「へえ、朝から和食か。」 「え?パンが良かった?」
/507ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1494人が本棚に入れています
本棚に追加