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昨日たっぷり睡眠を摂った俺は、荒潟を起こさないようにそっと布団から抜け出し、キッチンへ向かった。
ハイドが目を覚まして纏わり付いて来たが、ドッグフードの保管場所も与える量も分からない。
可哀想だが頭を撫でて宥め、朝食作りに取り掛かる。
俺は荒潟のように料理上手では無いが、自炊しているから朝飯くらいは作れる。
いかにも何でも入っていそうな業務用冷蔵庫を開けると、びっしりと食材で埋まっていた。
新鮮な野菜に果物、玉子、牛乳に調味料。
冷凍庫には肉の塊に魚介、刺身もある。
「凄げぇ…。」
俺は思わず独り言を呟く。
材料が有り過ぎて、何を作って良いか迷ってしまう程だ。
戸棚を開けると米が見付かった。
それで俺は、取り敢えず米を炊く事にした。
1時間が経った頃、荒潟が起きて来た。
彼は、じゃれ付くハイドを撫でてやりながら俺の手元を覗き込む。
「へえ、朝から和食か。」
「え?パンが良かった?」
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