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「…え?」
「俺みたいなごついのから、おまえみたいな可愛いのまでターゲットは幅広いらしい。
おまえには悪いけど、俺が仕事している間、あの人を構ってやって欲しかったんだ。」
「ええと…、つまり、俺に注意を引かせている間に仕事を済ませると?」
「そう言う事だな。」
荒潟が面白そうに笑う。
三郷さんがゲイなのは何となく分かっていたし、荒潟の仕事がスムーズに進むなら俺もご機嫌取りで文句はない。
でも、ちょっと困らせてやりたくなった。
「もし、俺が襲われたら、どうするつもりだった?」
「まあ、あの人が強引な事をしないと分かった上でおまえをダシに使ったんだが、手を出した時は蹴り飛ばす。」
困る所か、きっぱりと答える荒潟に、俺の方が戸惑ってしまう。
一方、荒潟は話しを続けた。
「俺は殴るより蹴る方が得意だ。
将平はキックボクシングをやった事があるか?」
俺は、彼の事を変わっていると思っていたが、『破天荒』と言った方がぴったりな気がした。
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