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すると、荒潟があからさまに言った。
「それに、近くに他のテント張られちゃ、おまえとエッチ出来ないからな。」
驚いて荷物を落としそうになる俺に、彼が笑って付け加えた。
「今夜は2人でテントで寝るんだぞ?
セックスするに決まってるだろ。」
俺は、そんな決まり事なんて初めて聞いた。
いや、これは『荒潟に限っての当然』なのだと分かっているが。
それにしても、ノンケの荒潟が俺とセックスしたがるのが不思議だった。
好奇心旺盛な彼の性格上、一度は試したい、と言うなら分かる。
でももう、一度目は済んだ。
昨日のゲイセックスが想像以上に気持ち良かったのか?
それなら悪い気はしないが、恋愛感情を意識してしまった俺としては、ちょっと複雑。
何て考えている内に、荒潟の方は手慣れた様子でテントを組み立て始めた。
そして俺に背を向けたまま言う。
「将平、釜戸作るから囲めるような石と乾いた小枝を拾って来てくれ。」
…釜戸?
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