5.

10/17

1494人が本棚に入れています
本棚に追加
/507ページ
すると、荒潟があからさまに言った。 「それに、近くに他のテント張られちゃ、おまえとエッチ出来ないからな。」 驚いて荷物を落としそうになる俺に、彼が笑って付け加えた。 「今夜は2人でテントで寝るんだぞ? セックスするに決まってるだろ。」 俺は、そんな決まり事なんて初めて聞いた。 いや、これは『荒潟に限っての当然』なのだと分かっているが。 それにしても、ノンケの荒潟が俺とセックスしたがるのが不思議だった。 好奇心旺盛な彼の性格上、一度は試したい、と言うなら分かる。 でももう、一度目は済んだ。 昨日のゲイセックスが想像以上に気持ち良かったのか? それなら悪い気はしないが、恋愛感情を意識してしまった俺としては、ちょっと複雑。 何て考えている内に、荒潟の方は手慣れた様子でテントを組み立て始めた。 そして俺に背を向けたまま言う。 「将平、釜戸作るから囲めるような石と乾いた小枝を拾って来てくれ。」 …釜戸?
/507ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1494人が本棚に入れています
本棚に追加