5.

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荒潟が笑いながら言う。 「海パン持って来たけど、水冷たくて入れないわ。」 俺は内心ほっとする。 荒潟のでかい海パンを穿いて泳げば、その結末は目に見えていた。 泳いでいる最中に脱げるパンツ。 そして、笑い転げる荒潟。 「そんな顔してないでビール飲めよ。」 荒潟に言われ、俺は彼の隣に腰を下ろし、クーラーボックスから缶ビールを出して飲んだ。 荒潟も飲みながら話しを始める。 「おまえ、海好き?」 「うん。荒潟さんは山より海派?」 「俺はどっちも。」 にっこり笑って彼が答える。 「自然が好きだ。 こうやって風に吹かれて、夕日を見て、起こした火で飯作って食うのが好きだ。」 俺は思わず笑ってしまった。 「それって、野生っぽくて似合ってるよ。」 怒るかと思ったが、彼は微笑を浮かべて頷いた。 「自給自足が理想だからな。 日本も良いけど、住むならもっと遠い島が良いかな…。」
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