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荒潟がやっと笑うのをやめ、俺の頭をぽんと叩いて言った。
「おまえって可愛いな。
男相手にこんな風に思うなんて変な感じだけど、俺はおまえが好きだよ。」
俺の心臓が跳ね上がる。
それって、今までの『好き』と違うよな?
俺に特別な感情があるって事だろ?
セックスだって、本気で俺を抱きたいからする、そう思っていいんだよな?
「俺も、あんたが好きだ。」
言った途端、荒潟にキスされて、最後の1枚も脱がされて、体中触られ捲った。
荒潟のそそり立つ中心をぐいぐい押し付けられ、俺も興奮して硬くなり、中に捻じ込まれた時は大声が出た。
波の音が消してくれたとは思えない。
でももう、周りなんてどうでも良くなって、俺は夢中で荒潟と体を合わせた。
突然、荒潟に叩き起こされ、俺は目を覚ます。
まだ寝惚けている俺に、彼は
「急げ、将平!
テント畳むぞ!」
と叫ぶ。
俺は目を擦りながら尋ねた。
「…漁師に注意された?」
「違う!」
荒潟は俺を押し退け、マットレスの空気を抜いて答える。
「波がそこまで来てるんだ!」
俺はぎょっとしてテントから顔を出し、辺りを懐中電灯で照らす。
砂浜からあれほど遠かった海が、すぐそこまで迫っていた。外に追い出されたハイドが、俺を見るなり飛び付いて来る。
俺は彼を宥めつつ、急いでテントを畳んだ。
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